2013年3月アーカイブ

自転車の歩道通行は段階的に廃止し、最終的には小学校低学年程度の児童の乗る自転車(運転者の年齢でなく自転車の車輪の径などを基準にする)に限るべきだと私は考えている。実現するまでの間、歩道上の「普通自転車通行指定部分」を示す道路標示「普通自転車の歩道通行部分(114の2)」を現行の下図左のような形式から下図右のように改めたい。自転車が通る部分でなく、通れない部分を「自転車通行禁止」の記号で示し、歩道の建物側(縁石線の反対側)を自転車が通ることは違反行為であることを明示するのだ。併せて道路標示「普通自転車歩道通行可(114の2)」(写真)は廃止する。それには「道路標識、区画線及び道路標示に関する命令(標識標示令)」の改正が必要になる。

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調布市の自転車利用共通ルール(案)に対するパブリック・コメント実施結果(PDF)によると、警視庁は「車道左側端に自転車マークを標示すると、道路交通法上、車道左側端を走行する義務のない自転車(13歳以下の児童など)まで車道左側端に誘導してしまう」と考えているらしい(警視庁が設置を進める法定外表示「自転車ナビマーク」が標識標示令に見られる左向きの自転車を示す記号からかけ離れ、分かりにくいイラストになっているのは、こういった問題意識によるものだろう)。であるならば、歩道に自転車の記号をペイントすることは、自転車を歩道に誘導してしまう効果が考えられる。道路標示「普通自転車歩道通行可(114の2)」に至っては、歩道を道路交通法にいう自転車道と誤認させるおそれすらある。

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みなとみらいの「みらい」は所詮1970〜80年代の未来なので、実に「らしい」と思う。70年代といえば言うまでもなく自転車を歩道に上げた時代で、80年代もその延長線上にある。そもそも自転車の可能性を見据えていたら、みなとみらい大通りはあんな構造になんかなるまい。実のところ、今まで「普通自転車の歩道通行部分」がなかったことが意外にすら思えた。

読売記事が触れている「「国際橋」の歩道で、試験的に自転車専用通行帯を設け、交通規制を実施してきた」というのは記者がよく理解していない類いで、国際橋付近では曲がりなりにも自転車レーンを車道に設けている(使いやすい自転車レーンとは言い難いものだが)。70年代の横浜と川崎には、自転車道や自転車レーンを造った事例がそれなりにあるが、「自転車通行環境整備のモデル地区98箇所」や国際橋と同様、自動車の邪魔にならないところに造った、というにおいがする。「98箇所」の中でも神奈川県警管内の新川崎の事例は酷い代物で、恐らく史上最悪の自転車レーンといえる

神奈川県警には、自転車通行空間関連施策ばかりでなく、警邏用自転車の実態にも問題点がある。警視庁管内では、特に2011年に警察庁交通局長通達「良好な自転車交通秩序の実現に向けた街頭活動等の推進について」が出たのと前後して、車道通行する警邏用自転車を見掛けることが増えた。神奈川県警管内のものはいつも歩道を通り、ただの1例も見たことがなく、目撃証言を募集したいレベルだ。

3 自転車利用者対策

(1) 自転車の危険な運転を防止するための講習に関する規定の整備

自転車の運転者の行う危険な運転に対して、警察庁が道路交通法(以下「法」)を改正してまで対処しようという点は大いに評価すべきことだと思います。

しかしながら具体的な説明あるいは再検討を必要とする事項が数点あります。

○「自転車の危険な運転を防止するための講習」に関わる事項

対処の内容が「自転車の危険な運転を防止するための講習を受けることを命ずる」ことである点に懸念を覚えます。試案では既存の罰則との関係が明らかにされていません。「一定の行為」の「反復」をどう認定するのかについても説明されていません。また講習の内容についても一切明らかでありません。この新たな措置を実効性あらしめるに当たって、有効な講習内容を確立することが最も必要ではないかと考えます。まず、全国の警察官を対象に講習を試行されることを希望します。以前に比べ改善の兆しがあるとはいえ、歩道走行や停止線無視、はなはだしきに至っては車道右側通行を行う例があるなど、警ら用自転車の無秩序な運行が散見されます。警察官を対象に講習を試行・実施することは、警ら用自転車運行の整序化、交通方法を指導するに当たって必要となる知識などの向上・均質化、講習内容自体の向上に資する有力な方途となると考えます。

○「交通に危険を及ぼす一定の行為」に関わる事項

「交通に危険を及ぼす一定の行為(信号無視、しゃ断踏切立入等)」の内容を法あるいは道路交通法施行令(以下「令」)において限定的に明示し、公安委員会規則に委任しないよう要望します。試案に盛り込まれているもの以外に、車道右側通行、法第63条の4第2項に定められた通行場所を遵守し徐行または一時停止する義務の不履行、一時停止の無視、飲酒運転、無燈火運転を加えることを要望します。

特に、自転車の車道右側通行に対しては、信号無視やしゃ断踏切立入よりも優先して取り組むべきであると考えます。自転車の車道右側通行の危険性は、警察を含め社会全体が軽視しているように見受けられ、この状況を深く憂慮しております。警察庁はこれまで自転車交通の整序化をうたっていますが、こと自転車の車道右側通行に関して特筆すべき組織的な対応がみられません。講習受講命令の採否にかかわらず、対応の強化を強くお願いいたします。

このほか、講習受講命令の位置付けいかんによっては「交通に危険を及ぼす一定の行為」に、歩道と車道をみだりに行き来しながら自転車を進行させる行為、歩車道の境界上での一時停止・後方等確認不履行を追加することも検討に値します。具体的な処分は難しいとしても、何らかの注意喚起をするようお願いいたします。

○「信号無視」に関わる事項

自転車の信号無視に関する取締り等を強化するのであれば、車道を通行する自転車が従うべき信号を一般車両用の3燈式信号機とし、「歩行者自転車専用」信号機を廃止することにより、信号交差点における自転車の通行方法を明確化するよう要望します。

交通の方法に関する教則(国家公安委員会告示第3号)第1章第2節 1 (3)には「人の形の記号のある信号は、歩行者と横断歩道を進行する普通自転車(第3章第1節3の普通自転車をいいます。)に対するものですが、その他の自転車もその信号機に「歩行者・自転車専用」と表示されている(付表2(1))場合は、その信号機の信号に従わなければなりません。」 とあります。

『週刊プレイボーイ』2011年7月18日号「短期集中連載〝自転車交通クライシス〟がそこまできている!!」〈前編「自転車無視の交通行政のツケ」〉では、警察庁交通企画課は取材班の問合せに対し「クルマ用の信号と歩行者自転車専用の信号の表示が異なる場合、自転車が守らなければならないのは歩行者自転車専用の信号です。これは車道を走る自転車も同じです」と回答した旨、報じられています。

以上から、国家公安委員会・警察庁としては、車道を通行している自転車であっても、「歩行者自転車専用」信号機の設置された交差点においては、当該信号機に従うべきであると解釈しているものと理解しております。

しかしながらこの解釈に従うならば、「歩行者自転車専用」信号機は車道上の自転車からは視認しづらいにもかかわらず、進行中信号交差点に近づくたびに、この標示板の有無を確認しなくてはなりません。また視認しづらい信号に従う義務を課すことに合理性があるのか、交通の安全と円滑に資するのか、はなはだ疑問です。車道を通行する自転車は「歩行者自転車専用」信号機に「対面」していないため、これに従う必要はないとする令第2条第1項の解釈が広く流布しており、実際に車道を通行する自転車の運転者が車両用の3燈式信号機により通行する例を多く見掛けます。国家公安委員会・警察庁の解釈は、実態から乖離しているということもできます。かかる現状を放置したまま「信号無視」に対する実質的な取締り強化を行うことに関しては賛成できません。

つきましては、令第2条第4項の廃止と、「特定の交通に対する信号機の標示板」のうち「歩行者・自転車専用」と表示されたものの速やかな撤去を強く要望します。

(3) 自転車の通行方法に関する規定整備

「軽車両の路側帯通行を、道路の左側部分に設けられた路側帯に限ること」に関しては賛成します。しかし路側帯が本来歩行者の通行の用に供するために設置されることから、今般の改正を時限的なものとし、将来的に軽車両の路側帯通行を禁止することも考慮に値すると考えます。

併せて、車道外側線の民地側の帯状の部分と道路構造令にいう停車帯等、路側帯と混同されやすいものについても位置付けを明確にし、自転車を含む軽車両が道路右側のものを通行できないことを周知するようお願いいたします。

従来、路側帯における軽車両の進行方向に制限がなかったのは、法第17条第4項と第18条第1項の適用を受けないことによるとされていますが、最も基本的な車両といえる軽車両の通行方法に関する事項を理解するのに法学的素養が要求されるのは好ましくなく、極力簡明な規定とし、分かりやすい周知活動をするよう求めます。

今般の改正の理由として、路側帯における双方向通行に「自転車同士の正面衝突・すれ違い時の接触事故等を引き起こす危険性」があるとしています。

『JAFMate』2013年3月号「事故ファイル」の文中にある茨城県警察本部交通企画課・櫻井哲朗総括理事官による

「右折時は、対向車や対向バイクとの衝突、いわゆる『右直事故』が多いのですが、実は今回のような右折先での横断自転車や歩行者との衝突も少なくありません。特に今回と同様の同方向に進む自転車との衝突事故の件数は、対向からの自転車との衝突に比べて多いことはもちろん、左折時の同方向の自転車との衝突事故の5倍以上となっています」

という談話からも明らかなように、道路の右側を通行をする自転車は、自動車等の運転者から視認されにくく事故を招きやすいことが指摘されています。こういった観点から軽車両・自転車が道路の右側を通行することを抑制することがたいへん重要です。

軽車両が通行することのできる路側帯を道路左側のものに限定することが可能であれば、普通自転車が通行する歩道を道路左側のものだけに限定することもできるはずであり、法第16条第4項を改廃すれば自転車道についても同様であると考えます。歩道と自転車道における自転車の進行方法の指定については、すでに「自転車一方通行」の交通規制がありますが、すべての歩道・自転車道・路側帯および自転車横断帯について軽車両、自転車又は普通自転車が通行できるものを道路左側に設置されたものに限る旨、法を改正することを真剣に検討すべきではないでしょうか。

以上

【註】一部表現を改めた。

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